時々日記

日々の制作や日常の中で感じた事など、時々更新しています

川崎市にある岡本太郎美術館に昨日作品を搬入、展示をしてきました

間違いなく今までで一番良い作品になりました。何より、この木にならば、母は乗ってくれるのではないだろうかと、やっと思える作品ができました。昨年の3月16日にポッと死んでしまった母を、何度も何度も思い出し、後悔や、、後悔、、後悔ばかりが募りながら、。進んでくれる時間に救われ、アトリエで待っていてくれる木に抱かれて、なんとか生きれました。木とか動物とかとも話せた母が、この木とも話していて、なんだか彫られるの楽しみにしてるみたいよ、なんて言ってたな。でも、過信し過ぎよとも言ってるわ、とかも。

ストーブの前でゴロンと横になり、昼寝して、料理が下手で、そうめんにはいつもピンポン球みたいな塊があって、掃除も苦手で、母の寝室にアリがたくさん出ていたこともありました。でも、仏壇の前に座ると何時間でもお経を上げて、家族の、家族の友達の、親戚の名前を読んで幸せを祈り、テレビで見た亡くなった人の、戦争でなくなった何万人もの人の魂をも供養していました。 どこの店に入ってもトイレの掃除を人知れずやり、全てを清めることにいつも真っ直ぐでした。小さくて、少し太っていることを気にしていて、でも、人として艶があった。あら、私そんな舟なんていらないわよ、自力で極楽にいくわ、おほほ、なんていうだろうな、でも作らせてもらった、乗ってほしい、この太陽のふねに、

展示は大変でした。いつもながらですが。しかし異常な労力も惜しみなく手伝ってくれる仲間に、本当に心から、こんな奴らに出会えていたことに今更ながら気がつき、展示中にちょっと泣きました。

僕は本当にただの普通の人なので、今なんでこんなことをしているのか、常々よくわからないのですが、一つだけ分かったのは、木を彫っていないと辛いから彫っているということでした。こういう作品を見て、どんな気持ちになってくれても良いのですが、願わくば幸せな気持ちや平和な気持ちになってくれるなら、本当にありがたいです。次の作品は今回の反省と気がついたことを整理して、もっと進めていきます。

僕みたいな中途半端な奴が生きてこれているのは、アートがあり、仲間がいて、妻が理解してくれ、仕事があるからです。本当に本当にありがとうございます。。。

[ 太陽のふね mother’s boat ]
2020 柳 高さ160cm 横幅560cm 奥行き160cm

作品の開口部 写真暗くてすみません。木口から5メートルくらいの穴を、潜って彫って開けています。そこに光の舟ができています。
木の上部の割れ目から光が下りるようになっています。穴は突き抜けておらず、先端50センチほど残して止まっています。なんかその方が魂が抜け過ぎないような気が今はしています。

いったん横浜まで送ってもらい、そこから美術館までは自分で運転していきます。この手間が運送費が半分になる。運転緊張しました。今回は全て自費なので、なかなかの気合の入った金額を払いました。運送会社に、あの、作品届いていませんか?と聞くと、あ、もしかして、家みたいな奴ですか?と言われました。
デカ過ぎてびびられましたが、トラックに乗ると、乗った、!なんて拍手がおきました(笑)運送会社の方も優しくてよかった。。

作品を乾かしている様子と、防虫処理の準備です。うちの犬が不安げに監督してくれています。

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