光
生まれようとした時、何を見ていただろうか、
希望だったろうか、ほんとうに
孤独に抗おうとする日々だったか
情けなさを繕い続ける日々だったか
生まれる少し前に、魂は自分の生を俯瞰しその一生を受け入れて選び取るのだと、小さい頃に母からよく聞いた。
一瞬の希望に歓喜した時も、誰かへの嫉妬も妬みも、人には言えぬ感情も。
どのような感情も、それらはいつしか押しつぶされ凝固し結晶化する
生まれる前にその光を見ただろうか
美しさは美しさからは生まれない
醜悪な感情も、崇高な感情も、恐れずに感じたものを受け止め、そして全生命をかけて噛み砕き、押し潰し、結晶化させなければ
ネガティブもポジティブも超えた場所にこそ、美しさは現れる
彫刻家は生き様を結晶化する
そしてその生き様は、特に素晴らしくなくても良いのだ。