十勝文化協議団体様より、文化奨励賞をいただきました!
なんだか奇跡の連続でしょうか、僕のようなものにこんな賞をいただき、、関係各位様にただただ感謝です。授賞式では90歳近い方も受賞されており、代表の挨拶の中で、これからも努力を惜しみませんと、声を絞り出していました。 なんだかその言葉を聞いて、身が引き締まり、なんか俺やべえぞ、と思いました。隣の、樹木の師匠と呼んでいるおじいちゃんは84歳。若い頃は馬で山から木を引き出してきて売ったりしてきたそうです。背丈を超える太さの木がゴロゴロしていたとか。木を出しやすい真冬に、山の中で仮のテントを作り寝泊まりをしながらの仕事。夜は生の木をゴンゴンと焚き火をして、半分凍りながら寝て、朝起きて、飯作って、木を切って、馬で木を出して。僕のやっていることのなんと甘っちょろいことか。 十勝は本当に寒いです。前に住んでいた北見も寒かったのですが、ああいう透明な寒さよりも、十勝はビシビシととんがった山々からびっしり濃密な冷気を吹き下ろしてくる感じです。この中で開拓をしてきた方々に改めて感謝です。 この時代にできることを必ず全うしなければ。僕の作品と呼ばれる日々の諸行がどうか美術だけで収まることなく、全ての人の心を踊らせてくれれば。そうでもしなければズタズタに掘られた木に、顔が立たない。きっと僕が死んだ時、あの世で恨まれてしまう。 今彫っているポプラの木に出会ってから改めて北海道に帰ってきて、制作をしてよかったと思っています。ポプラの木は、なんとなく誰かから連れてこられ、なんとなく北海道で育っている感じが、僕の気持ちにピッタリきます。大体の北海道人はどこか、内地と呼ばれる北海道以外の日本列島のどこからか来ました。僕はひいおじいちゃんが山梨の北都留郡という所から来たそうです(夢にたまに出てくる)。洪水が多くてこっちに来たとかどうのとか、言ってたな。 だからなのか、なんとなくこの土地にものすごく愛着があるとか、すごい歴史を感じるとか、そういう気持ちがあまりないのです。そういう北海道の人は多いのでは、、。 でも、この木に出会って、潜って彫って、なんとなく感じるものが出てきました。 生命が形を貫いて、透き通って常に行き交っている、この木も僕も。犬も。それは夜に星がビカビカと輝くような感じで。そんなことを感じるようになってから、たかだか40年この土地で生きてきた僕ですが、この木とも生命を交感している気が強くするのです。この北海道の土地の神秘と異常なエネルギーと厳しい冬に共感するようになってきました。 なんだかまとまりなく長くなってしまった。 とにかくがんばります!!